Overkill/I Hear Black

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Metallica「ブラックアルバム」に触発された(させられた)のだろうけど、
未知の分野に挑戦したと言う意味ではその後に生かされたのではないだろうか。

この時期はMetallicaやPanteraの影響で重さを求められた。


1991年にMetallicaがいわゆる「ブラックアルバム」をリリースし、
その翌年にはPantera「Vulgar Display Of Power」を発表した。

いわゆるスラッシュメタルは時代遅れになっていた時期で、
速さや鋭さより重さに比重を置いた作品を作る事を各バンドは強いられていた。
Overkillもその例に漏れず、
前作である「Horrorscope」では強烈なスラッシュメタルを作り上げたのだが、
時代の流れとともにヘヴィネス重視の作風に仕上げる事を求められてしまった。

重さを求めたのだろうが、「暗さ」が目立つ作風になってしまった。


サウンドをヘヴィにする為に、
前作よりもテンポを落とし、グルーヴ重視の曲が増えてきたのだが、
プロデュースが悪かった影響か、「遅くて軽い」サウンドに仕上がってしまった。
また、Bobby "Blitz" Ellsworthのヴォーカルも、
ハイトーンでシャウトする場面がかなり減少し、
「元気あふれる感じ」の印象のOverkillの本来のサウンドからは、
かけ離れた物になり、結果的に失敗作と言われる事が多くなってしまいました。


「元気あふれる感じ」がなくなってしまったのだから、
必然的にサウンドは暗さに満ち溢れた状態になっている。
スピーディーな曲も一曲だけ収録されているのだが、
それにも耳に残るフレーズがなく、出来の良い曲とは言い難い。

Overkillの中では間違いなく失敗作の一つだが...


ここまでの文面の中で、
Overkillの中では失敗作の一つだった事がお分かり頂けたと思いますが、
個人的にはこの作品でのチャレンジは決して無駄ではなかったと思います。

それは、次作である1994年リリースの「W.F.O.」が証明していると思います。
ヘヴィネス路線を見直し、再びスラッシュメタルを作り上げたのですから、
「失敗が成功の糧になった」典型的な例だと思います。

また1994年当時ではスラッシュメタルはもう既に廃れており、
Panteraに代表されるヘヴィでグルーヴ重視のバンドがもてはやされていました。
そんな中「W.F.O.」という作品で「スラッシュメタルは健在だ」と示しました。
当時の他のバンドはなかなかスラッシュメタル路線に戻れなかっただけに、
一作でヘヴィネス路線を諦めスラッシュメタルに戻ったのですから、
これは賞賛に値する事だと思います。


「W.F.O.」でスラッシュメタル路線に戻ったが...


「W.F.O.」でスラッシュメタル路線にあっさりと戻ってしまいましたが、
その後のアルバムでは方向性を見失ってしまったというのか、
また、グルーヴメタルに舵を切ってしまいます。

1997年リリースの「From The Underground And Below」や、
1999年リリースの「Necroshine」が典型的な例だと思います。
ですが、これらの作品は切れ味も鋭くなくヘヴィネス重視の作風でしたが、
それ以降のアルバムでは切れ味も戻ってきて、
「ただ重いだけとは言わせないぞ!!」とばかりに、
高品質なスラッシュメタルアルバムを現在まで作り続けています。
唯一80年代と違うとしたら切れ味とともに、
サウンドプロダクションの向上による重さが加わった事でしょうか。

Overkillの全盛期は「今」かもしれない...


2000年代以降のOverkillはたまに道を外れますが、
非常に高品質なスラッシュメタルアルバムを作り続けています。

それも若手のバンドでもないのに、
2,3年あればコンスタントに一枚のアルバムを作り上げてしまいます。
ですので、リリースのペースが速く、追いかけるのは大変ですが、
質の高さから安心して聴く事が出来るバンドの一つではないでしょうか。

80年代はスラッシュメタルブームに乗った勢いのあった時期だと思いますが、
2000年代以降も周りに左右されずぶれない姿勢でいる事に関しては、
今以上に評価されるべきだと思いますし、何故評価されないのだろうと思います。

まさに、Overkillの全盛期は「今」と言っても過言ではないと思います。

総括。


恒例になっていますが一応総括をしてみようと思います。
1. 1993年のリリース当時はヘヴィなサウンドがもてはやされた。
2. 次作ではあっさりと路線変更をし、本来の姿に戻った。
3. しかし、その後は進むべき道を見失ったのかヘヴィになった時期もあった。
4. でも、2000年代以降は安定してスラッシュメタルを続けている。
5. 「今」が全盛期と言っても過言ではない。

こんな感じでしょうか。



今回は時間の関係上あまり上手く書けませんでしたが、この辺で終わりにします。
今回の投稿も読んで頂きありがとうございました。またよろしくお願いします。